ひとりひとりにあった国語の勉強のやり方と書くと、何か特別なことでもやっているように
思われるかもしれませんが、私にとっては当たり前のことを当たり前にやる!というのが本筋
です。下記に私が考える当たり前を記載しておきます。
学校や塾(特に集団塾)は、大勢のお子さん対して一斉指導します。《できる子》はそれで
充分です。ただ《できる子》にも濃淡があります。
できる子の中のできる子を【大濃】と仮に表現するとそこから【中濃】【小濃】と薄くなり
ますが、薄くなる分、適切な面倒見の良さが発揮されないと成績は伸びません。
【中濃】【小濃】のお子さんは基本《できる子》ですから、テスト勉強に対するモノの見方
考え方の指導をしっかりできれば、あとは自力で進めることができます。
テストで成功した体験もあり、自分なりのテスト勉強のやり方も勉強習慣も既にあります。
学校の宿題の提出に時間がかかることもないです。勉強に苦手意識もないのですが、良い点数
を取るとすぐ浮かれてしまうなど、基本甘いところがあります。
【大濃】の子は浮かれません。
【中濃】のお子さんを例に書かせていただきますと、【中濃】のお子さんはわかるとできるが
違うことを理解し、改善も少しずつできるようになりますが、わかるけどまだ曖昧な状態が
あります。ここが【大濃】のお子さんと決定的に違います。わかるけどまだ曖昧な状態で
試験を迎えれば、当然、上手くいく場合とそうでない場合がでます。
そうでない場合のパターンは決まっています。
◎試験問題を解くのに時間がかかる。
◎普段より解くのに時間がかかっていることに気付き、焦る。
◎焦るため、普段ならミスしない問題までミスする。
◎わかりづらい文章の問題は決まってミスする。余裕があるときはミスしない。
◎普段なら90点以上行けるのに、70点台で終わる…
これが【中濃】のお子さんのイメージです。そうならないように面倒見の良さを発揮する塾が
良い塾と考えがちですが、面倒見の良さを発揮しすぎると、今度はずっと浮かれたままに
なります。その結果、自立が遅々として進まない場合があります。難しいところですが、
本質は成功と失敗を繰り返しながら、テスト勉強に対するモノの見方・考え方を確立し
努力を努力と思わず続けられる体質作りこそ、先決と考えます。よい点数だと浮かれ、
悪い点数だと凹むを繰り返すようでは、伸び悩み・頭打ち状態に半ば入っていると言えます。
【大濃】のお子さんは努力を努力と思わず続けられる、そんな体質を持っています。
【中濃】のお子さんに必要な面倒見の良さは努力を努力と思わず続けられる体質つくりの育成
です。幼児・未就学児ではないので、自分自身を改善する素養づくりこそ大事と考えます。
それには読書量、読書の幅、読書のやり方…自分自身の浅い経験則からくる狭い了見だけで
判断するようでは、テスト勉強だけでなく人生そのものが伸び悩み・頭打ち状態になって
しまうでしょう。目上の人のアドバイスを聞けるか、関連する本を読めるか、そこから自分の
考えをまとめることができるか。例えば「なぜ試験時間が足りなくなるのか!?」をテーマに
作文を書いたり、書き終わったらそれに関する文章を読んでみたり、また、「睡眠時間が
大事」とあれば睡眠に関する本を読んだり、「毎朝の食事が大事」であれば、食事に関する
本を読んでみるのもよいでしょう。
そんな風にして、ありとあらゆる角度から問題点を洗い出し、検討していくための能力を
身につけていきたいところです。そのためにも、説明文や論説文の読解法は早い段階で身に
付け、大量の読書を可能にする素地は作った方がよいでしょう。
やはり国語力です。