小学校受験合格に向けてのトレーニングを受けることで、子どもたちは
「ダラダラして、わがままで、自己中心的なふるまいは格好悪いことだ!」ということを
先生のお話や周囲のお友達のふるまいなどから、少しずつ認識・理解していきます。
大半の子どもたちは素直にありのままを感じていきます。そして本来の素養に基づき
自分を律することができるようになり、今やるべきことに集中出来るようになります。
特に今やるべきことに集中でき、オンオフの切り替えまで自然と出来るようになると、
これはもう「一生モノの財産だな」と思います。《これぞ教育の賜物!》と感心することばかりです。
小学受験する・しない、合格する・しないに関わらず、この本質的な素晴らしさを理解し、
小学受験を志すご父兄様であれば、お子さんに素晴らしい教育を与えていると思います。
その逆に上記をよく理解しないままで、ひたすら合格一本槍で進むと、何が素晴らしい教育
だったのか、何がお子さんの財産になっているのか、ご父兄様の理解が乏しい分、
その後の教育次第ではせっかくの効果が薄れてしまうのではないかと心配です。
道を踏み違えそうなときでも、戻れる素晴らしい原点がその子の記憶に備わっていることが
何よりの財産と思います。人の話を聞く能力、セルフコントロール力は、
優秀なお子さんであれば小学受験をする・しないに関わらず、孟母三遷の教え*どおり、
良い環境や良き師に出会う事で、いずれ定着するものと思いますが、身につけないと
いけない能力です。それであれば「早いに越したことはない」「早くに備わって悪いことは
何もない」と思います。また早ければ早いほど身に付きやすいものではないか、と最近は
思っています。特に考える能力が成長と共に身についていきます。
素晴らしい原点(人の話を集中して聞く習慣、セルフコントロール力)が出来上がって
いると、その原点に基づいて物事を考えられるようになり、迷いやまわり道も少なくなる
ものと感じます。時に親子間のコミュニケーションの行き違いがあっても、軌道修正も
しやすいでしょう。
小学校受験合格に向けてのお勉強を頑張ったことへの最大のご褒美は合格以上に、
上記なのではないのか、と思っています。仮に合格出来なかったとしても、お子さんに
「よく頑張ったね。本当に偉かったね。」と心から褒めてあげてほしいと願います。
また幼児・未就学児の時期に、最高の教育をプレゼントすることが出来たと
ご父兄様も胸を張ってほしいと思う次第です。いずれこの件は、より論旨を明確に
していきたいと考えています。
*孟母三遷の教え
孟子の母ははじめ墓地のそばに住んでいたが、孟子が葬式のまねばかりしているので市場近くに転居した。
ところが今度は孟子が商人の駆け引きをまねるので、学校のそばに転居した。すると礼儀作法をまねるよう
になったので、これこそ教育に最適の場所だとして定住したという故事。教育には環境が大切であるという教え。
また、教育熱心な母親のたとえ。