いくら英語の文法や数学の公式を暗記できても、設問の内容を正確に読み取る国語力が
なければ、テストの点数の良し悪し以前の問題です。社会に出てからが心配です。
算数の計算は得意でも、文章題が解けないというお子さんは、設問の内容自体をうまく理解
できていない場合が多いです。社会や理科も同じことです。国語力が一定レベル以上に身に
付いてくると、比例して知識量・語彙も増えていきます。また国語力が伸びることで、
自然に他教科にも積極的に取り組むことができるようになります。
「国語(特に作文)ができるようになってから、他教科の点数も伸びた!」よくあるお話です。
活字が読めるようになった分、知的好奇心の輝きが増しているわけですから、当然のお話
です。「国語はすべての教科の土台になる学問」というのは、全くその通りだと思います。
にもかかわらず、「文字(活字)を読みたくない」というお子さんは、SNSの発達に比例
して増えているように感じます。絵文字等で手軽に素早くコミュニケーションが取れる奥行
の浅いやり方が普通になってしまうと、「(活字離れの進んだ)若い社員が取引先のニーズ
を理解するのにも時間がかかり、書いている報告書も要領を得ない。」のも当然の結果だと
思います。
また多くの人が、国語力の大切さは理解できても、本格的に国語を勉強したい!といった
お話にまでなかなか結びつきません。「英語がわからない」「数学がわからない」と
いったお話は枚挙にいとまがない感じですが、
「国語は別にわからないわけではない。普通にやれば大丈夫。」でお話が終わってしまう
ことが多いです。物語文は解けても、論説文や説明文になるとまるで歯が立たなかったり、
記述式や作文では点数が半分程度の部分点しか取れなかったりします。それでも学校の評価
で3は取れるので、「英語がわからない」「数学がわからない」意識の方が強く出ます。
ほぼ感覚・センスだけで解くために、少々難しい問題にあたるとすぐ頭打ち状態、硬直状態
になります。そこで止まってしまうのが問題です。
最も重要視すべき科目は(英数以上に)国語なのではないか?といつも思います。