保護者からのご質問21

大学での勉強は、専門書を読むことが中心になります。そのため、大学入試では分析的な
読解力が試されます。また、中学高校入試は大学入試を基に作成されるため、同様に分析的な
読解力が求められます。つまり、‘感じながら読む’といった思考展開ではなく、著者の論理
展開を追わなければなりません。相手(著者)の論理展開を、文字(活字)から読み取る
学習をすることにより、より知的なコミュニケーション能力を育むことができる
言っても過言ではないでしょう。

ところが国語の成績自体は評価3でも、説明文・論説文になるとチンプンカンプン、
頭に何も入ってこない、また比較的読みやすい物語でも「『要旨を○○字に
まとめなさい」という記述式になった途端に途方に暮れるお子さんがいます。これでは
学校の評価は平均以上でも分析的な読解力が身についているとは言い難いです。

また「うちの子は好きなことに関しては、根気強くやれるのですが」というお話を聞きます。
それ自体は素晴らしいことで、より一層伸ばしていければ良いと思いますが、文字や言葉を
最後まで読み、聞き、理解する根気
が平行して育たないと、どんな分野でも、どこかで伸び
悩み・頭打ち状態になっていくものと思います。

よく《やる気にさせます!》といったフレーズを耳にします。それ自体は無論、大事なこと
ですが、そのやる気が長く続き、伸び悩み・頭打ち状態を乗り越えていけるように【文字や
言葉を最後まで読み、聞き、理解する根気】を植えつけていきたいところです。

アイル学院の目指すところは文字や言葉を最後まで読み、聞き、理解する根気を育て伸び悩み
頭打ちの状態を乗り越えていける人材を育てる!
にあります。


もともとのご質問は「(子供は中学1年生です)勉強が嫌いです。成績も良くないです。
勉強や成績に関する話をするとものすごく抵抗します。わざわざ塾に行かせる必要がある
でしょうか?」といった内容でした。
私はその回答として「四則混合計算をやらせてみてください」と書きましたが、残念ながら
それ自体をやることは無いに等しいであろう
やらせるのは至難の技に近いという思いが
強くなり、それではどうするべきなのかと今までブログで延々と書き続けてきました。

ご父兄様との語らいで、「学校の成績自体は良くなくても別に構わないのだけど……」と
おっしゃる方がいます。ご父兄様の考え方がそうである場合、お子さん自体はあれもできない
これもやりたがらない、何を言っても暖簾に腕押しの状態
であることが多いと思います。
そうであればこそ、知的好奇心を蘇らせるためにも、英語・数学以上に国語力を鍛えなおして
みてはいかがでしょうか?

また偏差値5055と伸び続けて、さらに上を目指す場合、伸び悩みの原因、頭打ち状態を
作っているのは、たいてい国語力です。伸びが止まったなと思ったら、やはり国語力から
問いかけるのが一番です。そのようなお子さんは決まって「国語はできるよ。大丈夫!」
言いますが、そうであれば記述式では点数が取れているのか、作文は書けているのか、
論説文や説明文では文章をしっかり読み取ることができているのか!?
 そこを確認してみてください。

たいていのお子さんは「それは難しいけど…」と言います。また読み飛ばしや読み違い、
聞き流しも中学生の伸び悩みを作る原因です。
また偏差値60を越えて【さらに上を!!】と言っていたのは束の間、どんどん成績が下がって
いく場合があります。親子関係もねじれ「もっと勉強しなさい!」「うるさい!」の応酬で
その先に進まないことがあります。知的好奇心が薄いのに詰め込め、積め込めで勉強していれば
限界がきます。そこを理解して対処策を考えなければ、「もっと勉強しなさい!」と言っても
パワハラに近いものを感じます。スイスイと伸び続けさせるには、素直に人の話を聞く耳、
整理整頓、セルフコントロール力等々しっかり躾けたいところです。同じように国語力を
磨き続けていくことで、知的好奇心のすそ野も広がり続けていくことでしょう。

中学生になって、にっちもさっちもいかないときほど、英語・数学以上に、徹底して国語力を
身につけることに切り替える。
そのことをお勧めして、この質問への回答を終えたいと思います。

今後の大学入試は、記述式の問題が間違いなく増えてくるでしょう。
社会に出てからもより知的なコミュニケーション力が求められる時に、その訓練ができて
いるか、できていないか、で大きな差が生まれます。

次回からは、ひとりひとりにあった国語の勉強のやり方、取り組ませ方とは!?を
テーマに書いていきたいと思います。
また【国語力をどうすれば伸ばし続けていけるのか】をテーマにしたセミナーも開催して
いきたいと計画しています。

 

  • 無料体験受付中|アイル学院 中野教室