鋳型にはめ込んだ、マニュアル対応では絶対無理と書かせていただいたのが、段階3以下のお子さんです。
お子さんの学力は、十人十色・千差万別です。同じような学力のお子さんはいっぱいいますが、
その中身はまるで違います。それゆえに、大筋の指導パターンは同じでもその後の、
細部・枝葉で、同様の鋳型にはめ込んだ指導をしても、あまり意味をなさないのは言うまでもないことでしょう。
段階3以下のお子さんと話をすると、決まって「勉強出来るようになりたい!」と言ってくれます。
お子さんが、勉強出来るようになりたい!という意欲を妨げている環境があることを、
ご父兄様が、まず気づいてあげないといけません。
「勉強出来るようになりたい!」
「だったら、家でダラダラしないで、もっと勉強頑張らないと・・・」
その会話が通用するのは段階4以上の学力の備わっているお子さんです。
段階3以下のお子さんは、(勉強が出来るようになりたい!)意欲はあっても、勉強に対して自信が無い。
自信がないから実行力が乏しい。これに尽きます。
勉強出来るフリをする・少しできたら、もう出来た!と思いこもうとするタイプと周囲の学力の高いお子さんと比較して、
「自分には無理!」と決めつけてしまうタイプに分かれます。
段階4以上のお子さんでも、上記のお話が、当てはまる場合も多々あるのですが、プライドを傷つけず、
「それは違うよね」と気づかせることが出来れば、その後は、比較的容易です。
真に気づいて、改心出来たら、トントン拍子で成績が上がっていくのが、段階4以上のお子さんの特徴です。
軌道に乗るまで、決して焦らないことです。そのようなお子さんは、軌道に乗ってしまえば、
ある程度、鋳型にはめ込んだ指導をしたとしても、自力解決能力が高まっていますから、何ら問題ありません。
気の緩みからくる油断、油断から魔が差す瞬間があります。
それにやられないように、注意してみてあげることが一番重要だったりします。
段階3以下のお子さんも、「分かると出来る、それは違うよね」と伝えれば、気づかないわけではありません。
しかし、それ以上に、分かると出来るの違い、それに気づいたところで、大差はない。
出来るようになりたいけど、簡単ではない、諦めの表情を浮かべる場合が多いです。
中学生以上になると、諦めの色が濃くなります。
「勉強何とかして頑張りたい!」前向きな意欲と、「どうせ無理・・・」相反する思いが綱引きしている状態です。
そして「どうせ無理・・・」という思いが「勉強何とかして頑張りたい!」という思いの足を引っ張っている感じです。
そのような状態のお子さんに、「勉強出来るようになりたい!」「だったら、家でダラダラしないで、もっと勉強頑張らないと・・・」
お子さんにしても、その通りなのは、分かっているけれど、足を引っ張る何かが存在していることを、
大人が知ってあげないといけません。
段階3以下のお子さんは、自信の無さを知ってあげて、プライドを傷つけることなく、
自信の無さから脱却していくシナリオを描いて、お話を進めていかないといけません。
これが段階3以下のお子さんには、非常に重要ではないか、と思います。