中野区の公立中の定期試験も昨日(11/17)で終了です。
連日、塾に来て頑張る塾生を見ていれば、良い結果(点数)を残してほしいと心から思います。
しかし、
「良い結果(点数)?」って何?
「悪い結果(点数)?」って何?
前回の定期試験より1点でも点数が上がれば大喜びの塾生もいれば、目標の点数に達しなければ、前回の定期試験より点数が上がっていても、「ガッカリ」の塾生もいます。
ちなみに、私が一番に注意して見ているのは、定期試験の結果(点数)より、中身です。
例えば、塾では、「数学の証明を自力で書く」は「無理です!」と言い張る塾生が、試験の本番では、書く努力をしている。
火事場のクソ力で、部分点はもらえている。
普段はまったく書かないのに、試験のときだけは「書く」塾生が毎年います。
しかし、試験のときだけ「書く」塾生は、「書く」訓練を全くしていないため時間が掛かりすぎます。
そのため時間が足りなくなり、後半の大問はほとんど解けていない・・・焦ってミス連発。
結果、前回の定期試験の数学より点数を落としている・・・。
よくあるパターンです。
これは時間配分ミスがなければ、もっと点数が伸びたであろうテストです。
塾生からしてみたら「悪い結果(点数)?」ですが、中身を見ると普段は脳みそがまったく働かない「書く」にトライしています。
定期テストの反省から、「書く」の指導まで、できるかどうかでノビシロが違ってきます。
一方、定期テストの点数は前回よりUP。
保護者様も喜んでいる様子が塾生から伝わってきます。
しかし、記述式問題は全問スルー。
ある意味、「取れる問題は確実に取った!」と言えます。
戦略が成功し、結果(点数)を残したわけですから、◎の評価で良いとしても、手放しでは喜べないテストです。
塾生からしてみたら「良い結果(点数)」ですが、中身を見れば「書く」を避けています。
これを良しとしてしまうとノビシロが無いです。
以前にも書かせていただきましたが、上位の高校(大学)になればなるほど記述です。
「書く」を避ける子は順調に偏差値が伸びていたとしてもあるところで完全に頭打ちします。
偏差値50レベルの高校と偏差値70レベルの高校では受験問題の中身がまるで違います。
50の高校の試験問題はまだ解けても、70では太刀打ちできません。
上位校を真剣に考えるようになったときには「時すでに遅し」です。
そういうわけで、中身を吟味すると、点数だけで、「良い結果(点数)?」「悪い結果(点数)?」判断できないことが多いです。
その他にも、「80点取れた!」と喜んでいるけれど「平均点85点」のテストもあれば、逆に「最低!!60点ショック!!親に怒られた!!」
しかし後日、平均点を確認すると40点台のテストもあります。
これもよくあるパターンです。
毎回80点>60点というわけでないです。
60点>80点で、60点の評価が高いときもあります。
多くの場合、平均点が高いテストのほとんどは選択式問題です。
選択式問題で正答できたからといって、記述式問題で正答できるとは限りません。
また選択も簡単な場合が多いです。
将来、高校受験(一般入試)から、大学受験(一般入試)と進路を志すのであれば、再三ですが、「文字を読み、文字から理解する力」の向上のレールが敷かれているかどうか、重要です。
上記の記述式問題全問スルーの塾生は、成功体験から、「記述式問題は全問スルーでも大丈夫」と早合点する恐れもあります。
点数だけで褒めた場合、助長する可能性大です。
文字を読み、文字から理解する力の向上のレールから遠ざかります。
週明けから定期試験も返却されてきます。
返却されたテストの中身を確認しながら、点数だけでは測れない成長の手応えを感じられると嬉しいところです。
そして、一人ひとりに最適な「文字を読み、文字から理解する力」の更なる向上をどう達成していくのか・・・
今日の「成績向上のメカニズム 後半3」は、よりその点を踏まえて、具体的に書いていきたいと思います。
11月後半の臨時塾
・23日/木曜日 17:00~19:30(祝日木曜日のため、通常授業はお休みです)
・25日/土曜日 17:00~19:30
参加資格は全塾生とします(参加は任意 ご費用は無料です)
希望者はご連絡ください。
成績向上のメカニズム後半3(最終)
これは通常個別ではなく、「特別個別(完全マンツーマン授業)」の塾生(中二女子)のお話です。
「数学(算数)がまったくわからない・・」ということで、月に4時間、特別個別授業(完全マンツーマン)をオンラインで行っています。
小学算数の分数から取り組みなおしました。
理解は出来るので、小テストを行えば100点も取れるのですが、定着しているのは、その日だけです。
「約分」「通分」「仮分数」「帯分数」「足し算のやり方、引き算のやり方、かけ算のやり方、割り算のやり方」「複雑な計算」が続くと次第に混沌としていきます。
また単純な計算も、
「4×8は?」
「32」
「いいね。じゃあ32÷4は?」
「え、え、6・・ですか?」
出来たり、出来なかったりを繰り返し定着しません。
そこで、いったん小学算数はお休みをして、「伸びる科目を見つけよう!」で社会を取り組みました。
月の授業4時間のうち、2時間を社会に割きました。
ここまでの定期テストは毎回20点台でしたが、1か月頑張っただけで、中2の9月の定期テストは、あっという間に70点台になりました。
数学(分数の計算)は自信なさげに解答するのに、社会は、
「25,000分の1の地形図において、地形図上での1㎝の長さは?」「250メートル」
単純な計算のみで、何問も解かなければグチャグチャになる要素が少ないので、すぐ定着しました(笑)
社会の授業の組み立ては簡単です。
塾生の力量を推し量り、取り組む場所を絞る
そして絞ったところのテキスト(文章・文字)の読み合わせをしただけです。
その塾生のスピードに合わせて、量を絞り、一通り丁寧に読む。
読んだ箇所のどこかに必ず「答え」がある。
そして「問題」→「答え」を繰り返し、たまに逆パターンで聞いてみる。
「実際の距離を縮小した割合を何という?」
「縮尺」
「縮尺ってなに?」
「実際の距離を縮小した割合のこと」
社会はこちらが予想している以上に感度が良かったので、すぐ定期試験の点数に結びつきました。
もともと
「暗記が大の苦手」「理社は嫌い。興味ない。」
で定期テストは20点台の点数で終わっていましたが、これは
「理社は嫌い。勉強は苦手。無理。」
と決め込んで何もしなかっただけです。
そんな感じなので、70点を取ったときも、喜んでいるというより驚いていました(笑)
その他にも成功事例(特別個別 完全マンツーマン授業)はありますが、それらの成功事例をよく吟味しました。
成功の分水嶺になっているのは何か?
それが明確にわかってきました。
一般的な個別指導塾の場合、生徒の分からないところを解説してくれます。
主要5科で定期テスト400点程度取れる、「文字を読み、文字から理解する力」が学校の授業レベルで追いついているお子さんは、それで十分です。
復習習慣も十分身についていることでしょう。
しかし、根本的によくわかっていないお子さんは解説を聞いても、多くの場合、よくわかっていません。
よくわかっていないにもかかわらず、『よくわかりました』でお話を終了させます。
基礎的用語の知識も曖昧なままです。
使いこなせるまでの努力をせず、すぐ根気負けします。
「自分には無理だ!」
とあきらめるのが早いお子さんが多いです。
もしくはその逆に、
「なんとなくわかったからもう大丈夫!! もう僕(私)は大丈夫です!!」
そう言い切る謎の自己完結をするお子さんも少なくないですが、定期テストを見れば一目瞭然です。
ただ、その時のテストの結果が、運良く前回より点数が上がっていれば、
「良かった!頑張ったね!!」
で終了です。
細部には目もくれず、それ以上は考えません。
「中身」など「どうでもええんじゃい」で終了です。
運悪く点数が下がれば「どうしてなの!」を繰り返します。
「勉強をさぼっているから点数が下がるのよ」で多くの場合終了です。
細部の分析はしません。
精神論でおしまいです。
一般的な個別指導塾の場合、運営上、スキームの限界があるので、それ以上の踏み込んだものを求められても各期講習などの高額講座へのおすすめに流れてしまい、本質的な改善からはほど遠くなります。
その点、アイル学院は、塾長の私が、毎回、定期テストを持ってきてくれる塾生の「内容」「細部」を見ています。
そして夜な夜な、
「これなんで解けないのよ? テストの前の日、『もう大丈夫です』って言いきったよなあ・・・はあ~~」
ストレスを抱え込む作業を夜な夜なしています(笑)
そして毎回、同じ感想にたどり着きます。
「文字を読み、文字から理解する力が足りない・・」
究極の結論に達します。
塾生が「根気負け」をする理由。
「なんとなくわかったからもう大丈夫」で終わらせてしまう理由。
その多くは、
「難しそう。面倒くさそう。読んだところできっとわからない。読んでみたけどチンプンカンプン。」
文章の難度に対して「文字を読み、文字から理解する力」が負けているからです。
また読み飛ばしや読み違い、焦りからくるケアレスミスを生んでいる源になっているとも言えます。
すべてにおいて、文章/問題の難度より「文字を読み、文字から理解する力」が勝るまで仕上げることができれば、状況は一変します。
上記の中二女子のように、数学(算数)「計算・数字音痴」の場合は話が別ですが、「根気負け」の場合は授業の進め方次第で、社会のように劇的に点数が変わります。
2020年の緊急事態宣言後、こだわってきたことに対する私なりの結論はこれです。
●「音痴」の改善は難しいけれど、「根気負け」の改善は進め方次第で劇的に変わる。
成績伸び悩みの際の指導方法ですが、それまでは「音痴」も「根気負け」も区別せずに同列に考えていたのですが、それが明確に変わりました。
今後は、「文字を読み、文字から理解する力が足りない・・」に対する「根気負け』しない指導をするため、
当塾の「通常個別」に「特別個別(完全マンツーマン授業)」の要素を取り入れていきたいと考えています。
それが今後の「成績向上のメカニズム」の最大の変化です。
その紹介を次号のアイル学院だよりで行いたいと思います。
今回も長文にお付き合いをいただき、誠にありがとうございました。
どうぞよろしくお願いします。